声帯狭窄症とTチューブ 息子の現状を紹介します

病気について


「息子さんは何の病気なんですか?」
「Tチューブの情報がなくて困ってます」
こんな声や質問を頂きます。

そこで今回は、

  • 声帯狭窄症ってどんな病気?
  • 声帯狭窄症の治療法は?
  • Tチューブ生活の注意点と吸引のコツ
  • これからの治療の行方

についてお話ししたいと思います。

同じ病気でもお子さんによって治療法や
医療的ケアの方法が違います。
あくまでも1つの例として参考にしてみてください。

声帯狭窄症ってどんな病気?


先天性声帯狭窄症』これが息子の病名です。
生まれつき気管の一部である「声帯」が狭い病気です。

声帯は気管の入り口にある左右のひだをいいます。
食べる時は食べ物が肺に入らないようにぴったりと閉じ
左右の声帯の間を空気が通ると振動して、声が出ます。

息子の場合両方の声帯がピッタリとくっついています。

空気の通り道がほとんどない為、口からも鼻からも
空気の出入りがありません。
息子の命を救うには、口から管を入れるか、喉に穴を開けるか
2択しかありませんでした。

yukiko
yukiko

息子が産まれた時、産声はなく
身体全体が真っ青でした。
医師や看護師が、慌ただしく分娩室から
息子を抱っこして出ていきました。

ちなみに原因は不明です。
狭窄の場所や狭窄の程度もお子さんそれぞれです。
息子の場合、狭窄場所が声帯というのは珍しく、
狭窄の程度も強いのでなかなか手強い症例と、
のちに説明を受けました。

声帯狭窄症の治療法は?


声帯狭窄症の治療法は
狭窄部位や程度、年齢によって様々です。

息子の場合

  1. 気管内挿管→産まれてすぐ
  2. 気管切開→生後2週間〜4歳8か月
  3. 声門開大術→4歳10か月
  4. Tチューブ挿入→4歳11か月

という治療経過をたどっています。

息子が産まれた直後は、一番細い管(直径2㎝)を
口から入れる、いわゆる気管内挿管が行われました。

昔は、気管内挿管が出来ない場合、
狭窄症のお子さんの救命は諦めたそうです。
医療的ケア児が増えた背景には、
小児の
気管切開が可能になったこと、
医学の進歩による救命率の改善があります。

息子を出産してから6時間後、
初めて新生児科の医師から病状説明がありました。
「一番細い挿管チューブがなんとか入りました」と。
つまり、もし入らなければ息子の命はなかったのです。

気管内挿管から気管切開へ

生後2週間で息子は気管切開の手術をしました。

一番細い管は、長期間入れることは出来ません。
当時人工呼吸器も使っており、機器の重さで細い管は
今にも折れ曲がりそうでした。

通常産まれてから早い段階で、狭い気管を拡げる手術は
行いません。成長とともに狭い気管が拡がる可能性が
あるからです。

口から管を入れたままだとミルクは飲めないし、
退院も出来ません。
結果的に気管切開をせざるを得ない状況でした。

ただ1つの気がかりだったのは、
気管切開すると声が出ないこと

産まれてから一度も息子の声を聞いたことがなかったのです。
それでも気管切開をする状況を受け入れるしかなく・・・。

生後2週間で息子は気切っ子になりました。

yukiko
yukiko

息子は気管切開をしても声は出ました!
それもクリアな声。
声を出す術を身につけたのでしょうか。
子どもの力って凄い。

経過観察の4年間 期待もむなしく声帯は拡がらなかった

気管切開をしてから4年間、成長とともに狭い声帯が
自然に拡がることはありませんでした。

どのように経過をみていたのですか?

yukiko
yukiko

1年ごとに気管支鏡検査で
声帯の拡がり具合を観察していました。
結果はいつも「声帯動かないね〜」

自然に拡がれば、閉鎖訓練→抜管となるはずでした。

yukiko
yukiko

スピーチバルブをつけて、狭い声帯に負荷を
かけてみたんだけど・・・残念。


本来は、夜間以外1日つけられるのが理想でしたが、
息子は苦しくなるので、30分しかつけられませんでした。

結局手術となり、静岡県立子ども病院に定期的に通院・
治療することになったのです。

いよいよ手術。これで拡がれば抜管できる!

4歳10か月の時、くっついている声帯を削って糸で引っ張り、
声帯を拡げる手術(声門開大術)をしました。
2か月後の術後評価では『再癒着』。
糸で引っ張る力よりも元に戻ろうとする力が強かった・・・
(若いから元に戻ろうとするみたいです〜)
ということで、一番避けたかったTチューブ挿入へと
治療方針が変わるのでした。

Tチューブが挿入され、息子は一時的に声を失うことになった

息子が5歳になる9月に、気管カニューレからTチューブに変わりました。


上の図のようにTチューブは狭い声帯を超える場所まで
入っています。
Tチューブで声帯粘膜を押さえつけて拡げる治療です。

【利点】

  • 首回りの締め付けがない(お風呂で首回りを洗える)
  • お風呂上がりのカニューレバンドの交換不要
  • 往診時の気管カニューレ交換が不要

【欠点】

  • Tチューブ挿入中は声が出なくなる
  • Tチューブが前に8㎝飛び出ているので引っかかりやすい
  • 2か月ごとに静岡県立こどもの病院でTチューブ交換
  • 痰が増える(加湿が増す)→人工鼻1日5個交換
  • 抜けたら気管カニューレを挿入し出来る限り早く静岡県立こども病院に行く

欠点の中でも、声が出なくなることが息子のとって1番のショックだったようです

Tチューブ生活での注意点と吸引のコツ


Tチューブ生活で注意点は以下の2点です。

  1. 抜けないこと
  2. 閉塞しないこと

Tチューブが抜けると、押さえ込んでいる粘膜が短時間でくっつきます。
息子の場合、保育園でTチューブが抜けてから6時間後には、
押さえ込んでいた声帯がくっつき始めていました。
主治医からは、
「くっついてしまうと振り出しに戻るからすぐ来て」
と、入院のたびに言われます。

閉塞させないことも重要です。
素材がシリコンで出来ており、気管カニューレに比べて
Tチューブの内側に痰が付着しやすいです。
吸入と内服で閉塞予防に努めましょう。

Tチューブの吸引にはちょっとしたコツが必要です。
気管カニューレと同じ方法では吸引カテーテルは入りません。

前に出ている部分を上に持ち上げること

素材上滑りが悪いので、非常に入れづらいですが、
コツをつかむと簡単に出来ますよ!

 

これからの治療の行方


今年の8月まではTチューブ挿入のままです。

拡げた粘膜が固定されるまで、最低6ヶ月かかるそうです
長い・・・。

目標である就学前までの抜管はギリギリ間に合うかどうか。

ここで次なる壁は就学問題。
抜管できないことも想定して、昨年から教育委員会に
普通学級入学』の意向は伝えています。
治療と並行して、今年度は教育委員会との話し合いも
進めていかなければなりません。

Tチューブ生活になって早7か月。
息子も家族も保育園の先生方もようやく慣れてきました。
保育園のお友達は、今までと何ら変わらず接してくれます。
当初全く声が出なかった息子は、声らしき音
出せるようになり、想いを伝えられるようになりました。

残り1年、楽しい保育園生活を送れるように
サポートしていきたいと思っています。

 

医療的ケア児のママ、パパ
毎日お疲れ様です。

最後までご覧いただきありがとうございました!

 

 

 

 

yukiko

フリーランス看護師
看護師ライター/
看護師シッター/
プライベート看護
得意分野は
救急・透析・内視鏡
2児の母
趣味はシアターダンス

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